マイクロコンバージョンとは?広告運用を進化させる「一歩手前」の活用方法を解説

マイクロコンバージョンという言葉を聞いたことはありますか?
これは、最終的な申し込みや購入といった“本来のコンバージョン”に至るもう一歩手前の重要なアクションを指します。例えば「カートへの追加」や「資料請求フォームの閲覧」、「会員登録ページへの遷移」などがそれに該当します。
つまり、最終ゴールに至るまでの“小さな成功体験”。それを計測し、広告運用やLP改善に活かす手法がマイクロコンバージョンです。
本記事では、このマイクロコンバージョンの活用方法について解説します。
- マイクロコンバージョンのことが分かる
- 効果的な広告運用のコツが分かる
マイクロコンバージョンを導入すると何が良いのか
機械学習の精度向上に直結
マイクロコンバージョンを導入すると広告運用の機械学習が効率良く進みます。
これが最大のメリットです。
Google広告や、Instagram広告などの運用型の広告は自動入札と機械学習による最適化が基本です。
最適な入札が実施されるように各媒体では機械学習により入札効率を高めています。
ユーザーの行動や過去の成果から学習し、広告を出すユーザーやタイミングを自動で調整しています。そしてこれらは、コンバージョンを利用することで最適化されています。
ただし、十分な数のコンバージョンが発生しないと学習が進みません。
特に、高額商品やBtoB商材のように「成約までのハードルが高いケース」では、コンバージョンが発生し辛く、機械学習が進まず効率良く広告を運用することが難しくなります。
そのような問題を解決するために、コンバージョンに繋がる「一歩手前」の部分をマイクロコンバージョンとして計測し、広告の機械学習を加速させます。
マイクロコンバージョンの考え方
どのような行動でもマイクロコンバージョンとして設定すれば良いのではなく、マイクロコンバージョンが増えれば、最終的なコンバージョンも増えるという関係があるものをマイクロコンバージョンとする必要があります。
コンバージョンから遠すぎるものは設定して意味がないので、それなりの数が発生しつつコンバージョンと深く関係しているポイントをマイクロコンバージョンとするのが良いでしょう。
×[NGな例]
- 単なるページビュー
- トップページの滞在
- キーページ以外へのリンククリック
○[有効な例]
- お問い合わせボタンクリック
- カートへの商品追加
- 見積もりフォームの入力開始
- 会員登録ページへの遷移
マイクロコンバージョンは発生数も重要ですが、最終的なコンバージョンとの繋がり、関係性を吟味して設定しましょう。
他にもある様々な活用方法
さらに、マイクロコンバージョンは機械学習だけではなく、ランディングページやクリエイティブの改善、キーワードの見直しなどについてもマイクロコンバージョンを採用することで、より素早く正確にPDCAを実行することが可能となります。
そういった点でもマイクロコンバージョンを設定することは非常に有効な手法です。
ランディングページの改善
ランディングページであればヒートマップツールと組み合わせ、マイクロコンバージョンに至ったユーザーのサイト内の動向を分析することで、ボタンの位置やコンテンツの表示順などを改善できます。
その結果、最終的なコンバージョンを増やすことに繋がるでしょう。
クリエイティブのABテスト
クリエイティブであれば、ABテストを実施しどちらが多くのマイクロコンバージョンや最終的なコンバージョンを獲得出来ているかを比較することで、最良のクリエイティブを見つけ出すことが可能です。
キーワード・ターゲティングの最適化
どのキーワードがマイクロコンバージョンを獲得できているか、マイクロコンバージョンあたりの獲得単価はどれくらいかなどを比較できます。その結果を活用し適切なキーワードへの入札価格を高めることなどで、広告運用の効率を上げることが出来ます。
同様に、ターゲティングやデバイス別の分析にも応用できます。
マイクロコンバージョンのデメリット
マイクロコンバージョンを利用する上で、避けられないデメリットがあります。
分析の複雑化
分析が複雑になります。
ただでさえ、項目数が多い広告運用に複数のコンバージョンが追加されることを想像してみましょう。
その結果、レポートの内容が肥大化してしまいます。さらに、今まではコンバージョン数だけを見ていればよかったものが、コンバージョンの中身まで確認しなければならず、分析へより多くのリソースを使うこととなります。
広告媒体で提供される初期状態のレポート画面のままでは、マイクロコンバージョンと最終的なコンバージョンを切り分けることが難しく、自社でのレポート設計やBIツール連携が求められるケースも出てきます。
このようにレポートの調整をしておかなければ、運用途中からマイクロコンバージョンを導入するとコンバージョン単価やコンバージョン数が前の期間と大きく変化するため、比較することが難しくなります。
マイクロコンバージョンを広告運用の成長エンジンへ
デメリットを上げましたが、これらはレポートの内容を工夫することで回避、改善することが可能です。
コンバージョンが増えるメリットと比較すると些細な問題とも言えます。
弊社では、広告媒体ごとにマイクロコンバージョンと最終的なコンバージョンを切り分けて比較できるようにし対応しています。
マイクロコンバージョンの設定と活用は、広告運用における学習効率を大きく改善し、少ないコンバージョンでも成果を出せる広告運用体制を作り上げる強力な武器となります。
広告運用に大きな影響を与えるマイクロコンバージョンの導入にチャレンジしてみませんか。