Core Web Vitalの「INP」とは?「FID」から変わる新たな指標
GoogleのCore Web Vitalsは、ウェブページのユーザーエクスペリエンスを評価するための重要な指標群です。
これらは、サイトのパフォーマンスを客観的に把握し、検索ランキングを向上させるための指標になります。
最近、GoogleはFirst Input Delay(FID)からInteraction to Next Paint(INP)への重要な指標の変更が2024年3月12日より正式に採用されることを発表しました。
Web Vitals プログラムでは、ウェブ デベロッパーがウェブ上のユーザー エクスペリエンスの主要な側面を測定するための指標を提供しています。First Input Delay(FID)はプログラムの応答性の要素を示すものでしたが、時間の経過とともに、FID ではなかったウェブでのインタラクティビティの側面を捉えるには新しい指標が必要であることが次第に明らかになりました。Chrome チームはこのニーズを認識し、2022 年 5 月に試験運用版の指標として Interaction to Next Paint(INP)を導入しました。昨年、INP は保留中の指標になりましたが、INP が 2024 年 3 月に安定したステータスに昇格することを発表しました。
本日は、今年 3 月 12 日より INP が Core Web Vitals として正式に FID に置き換わることを発表いたします。また、この移行に伴い FID が非推奨になることをお知らせいたします。
3 月 12 日に「Interaction to Next Paint」がウェブに関する主な指標に
この記事では、この変更がSEOにどのように影響するかを詳しく解説します。
- INPについて理解できる
- FIDとINPの違いが分かる
- SEOのポイントが分かる
First Input Delay(FID)とは
FIDは、ユーザーがページに最初にクリックやタップなどを行ってから、ブラウザがそのインタラクションに対して応答を開始するまでの時間を測定します。
この指標は、ページの応答性を評価するために用いられ、ユーザー体験のスムーズさを反映しています。FIDの良好なスコアは、ユーザーがストレスなくサイトを操作できることを示しており、SEOの観点からも重要視されてきました。
Interaction to Next Paint(INP)への移行
Googleは、より良いユーザー体験の測定を目指して、FIDをINPに置き換えることを決定しました。
INPは、ユーザーがページとインタラクションした後、ページが視覚的なフィードバックを提供するまでの時間を測定します。これにより、ページの応答性だけでなく、インタラクション後の視覚的な変化も考慮でき、ユーザー体験のより正確な評価が出来ることになります。
FIDとINPの違い
FIDは、ユーザーの最初のクリックやタップなどの反応の開始までの速度を測定しているのに対し、INPは、ユーザーの任意のクリックやタップに対し、反応が視覚的に完了するまでを測定しています。
この点が大きく違います。
例えるなら、レストランで注文をするために、店員に声を掛けたとします。FIDは、あなたが声を掛けた店員が「はい」と反応するまでの時間を測定します。つまり、あなたの要求が認識されるまでの「待ち時間」です。
一方でINPは、同じ状況であなたが声を掛けた後、実際にあなたのテーブルで、注文を取るまでの全体の時間を測定します。
ただ反応を示すだけでなく、実際に目に見えるアクションが行われるまでの「対応時間」を含みます。
手っ取り早くWebサイトのINPを確認する方法
PageSpeed Insightsにアクセスして、解析しましょう。
他の指標も同時に表示されますが、INPについても表示されますので確認してみましょう。
INPがオレンジや赤い表記になっている場合には、改善が必要です。
また、モバイルとデスクトップで、スコアが変化するのでどちらもチェックするようにしましょう。
INPが重要な理由
ユーザーがウェブサイトを訪れた際に、速やかに反応しスムーズな体験を提供することは極めて重要です。
遅延が長ければ長いほど、ユーザーはフラストレーションを感じ、その結果サイトの離脱率が高まります。
INPは、サイトがユーザーの操作にどれだけ迅速に反応しているかを正確に反映し、ユーザー体験を改善するためのヒントにすることができます。
SEOにどのような影響があるのか
INPへの移行は、SEOにおけるページのパフォーマンスの重要性が高まります。
ユーザー体験が検索ランキングの重要な要素である現代において、サイトの応答性と視覚的なフィードバックは不可欠です。
INPの導入により、ページのインタラクティブ性をさらに細かに最適化する必要があります。
自力での改善が、難しい場合は専門家を頼ってみるのも一つの手でしょう。